演奏しているときの豊かな表情や動きって、その人がどれだけ音楽を感じているかを映す鏡みたいなものだと思うんです。
ただ、時々、その表現が音の流れからちょっとだけ離れて見えることがあります。
そういうときは、つい音よりも動きのほうが先に目に入ってしまって、ちょっと違和感を覚えることもあるのは事実、、。
でも、表情と音がぴったり合っているときは、決してやりすぎには見えません。どんなにオーバーな表情でもね。
そのときには、音楽が自然に息づいていて、心の中で生まれた感情がそのまま顔に表れているだけなんですよね。
だから、表現が音から少し離れて見えるのは、単に見た目の問題じゃなくて、
音の流れをどれだけ感じ取れるかという、聴く人の感性の問題なんだと思います。
そして、それを感じられるのは、演奏をちゃんと聴いて、その本質を理解している人だからでしょう。
音を超えた何かを感じ取れる耳と心がある人ほど、
ほんのわずかなズレにも敏感になってしまうんでしょうね。
でも、それは批判じゃなくて、むしろ音楽を深く愛している証拠だと思います。
そして最後には、音と表情がまた重なり合ったとき、そこには言葉にできない静かな真実があるんですよね。