2017年、ヘルシンキ(フィンランド🇫🇮)とラハティでのコンサートがあり、ヘルシンキに滞在しました。
その際。シベリウスの家「アイノラ」へ絶対行きたくて!辿り着きました。感激。シベリウスが使っていたグランドピアノ、、椅子、帽子、、美しい庭。全てに感動。ここで、作曲された作品、、更に愛おしく感じました。

そして、もう一つ、大切なイベントがありました。
シベリウスアカデミーの教授 Folke Grasbeck氏にシベリウスの作品のレッスンを受けること。
当日、待ち合わせ時間通りシベリウスアカデミーの前で教授を待ってました。30分待ちました、、いらっしゃらない、、^ ^;仕方なく電話すると、まだ自宅。日にちを勘違いされていて、急いでいきます、との事。それから、さらに30分待ちましたー。大丈夫!周りを散策してたらすぐ時間が経ち、いざレッスン室へ。
レッスンは、ブゾーニが学長だったころ、彼が使っていた部屋とピアノ。またまた感激!!
教授は、フィンランドの事、ブゾーニの事、シベリウスの音楽の事、を沢山話してくださいました。涙がでるくらい、素晴らしい話しでした。
そして、レッスンが始まりました。
まず、「フィンランディア(ピアノ独奏版)」を聴いていただきました。フィンランド人の苦悩と悲しみ、そして、誇り。中間部のコラールは、第二の国歌とされるくらい有名。しかし、僕の演奏は、美し過ぎる、歌い過ぎると言われた。そして、テンポは変わらずルバートはしない。イメージがかなり変わりました。前半、後半も変わりました。
二曲目は、「樹の組曲より、もみの木」。
まず最初に力説されたのは、
「この曲は、若い演奏家やヨーロッパ、アジアの演奏家は、とてもロマンチックに演奏する、それは間違っています。三拍子をワルツに感じてる、、違います、ワルツではありません。」
その言葉から、深いレッスンが始まり、自分の感じて頂き、もみの木、とはかなり違う演奏に変わっていきました。
レッスン中、衝撃的な事がありました。
「音を間違えてます」
と言われ、楽譜を見せてくださいました。
「これが正しい音です。シベリウスは、決して、「A」を書いてない。「G」が正しい」
それは、中間部の左手ベースのある一音を指して言われました。
なるほど。確かに、シベリウスらしい響だ!
それ以来、G を弾いています。もちろん、日本で手に入る楽譜は、Aになってますが。
帰国して、何故か持っていた Breitkopf And Hartel Musikverlagから出ている、原典版?シベリウス全集(なんと!Grasbeck氏が編集でした)には、ちゃんとGで書いてあるではないか!!!

他に、メリカント、クーラの作品もレッスンして頂き、夢の様な時を過ごさせて頂きました。
今でも、あの感動は、忘れられません。
