
「想像力」って人間にしか与えられてない、素晴らしい力。若い頃ウィーンのマスタークラスで体験したあの感動とちょっとした挫折?は僕の人生を変えてくれました。
余談だけど、自分の音に対する意識も!例えば、ppピアニシモ。どんなに弱く弾いても
「No. …Strong..,…stark」
と言われまくった山根は、
「こりゃ、そもそも音の出し方や身体の使い方、音の聴き方が間違っている」
と、ほぼノックダウン状態。その頃から、一からそれまでの弾き方を変える転機になりましたが、その事はまた話しましょう。
はい。話しをもどしましょう。
もちろん!演奏家は「想像力」だけで演奏できないです。それを、作品に関する知識、音にする技術、人に伝える表現力、音楽にする構成力、それを判断する”耳”は絶対必要です。
そしてもう一つ、全ての音楽、楽譜がある音楽は、「即興的」に聴こえないといけない、ってこと。今、そこで生まれた音楽かの様に!
ウィーンで聴いたロシアのピアニスト(マスタークラスの教授)の演奏は、ストーリーを感じて、ドラマを感じて!楽譜から飛び出たかの様に生き生きと動きだしたのは、まさに今そこで生まれたかの様だったからなんだよね。
想像力 と 即興性、、、
そう、この2つは、音楽家にとって、無くてはならない力!これがないと、どんな技術や知識があったとしてもダメなんだよ、、
そもそも、音楽家にとっての「知識」って、実現できないと、無いものと一緒、、、ってこと。
そんな、それまでの常識を覆す様な体験をした、若かりし山根青年は、ある時とてもクリエイティブな現場に出会えたんです。
ある時、しらない女性から電話がありました。
「ミュージカルで演奏してもらいたいのですが。実はみんなに断られたので、最後に山根さんに、、」
ちょっと、ん?と感じた。最後に?断られたから僕に?あまり気持ちよくないが、話しをつづけた
「はい、ミュージカル好きですから!大丈夫です。で、どんなミュージカルですか?
「ありがとうございます!じ、実は、、楽譜は一切ないんです。あ、何曲かはメロディーとコードくらいは、、あとは全て即興でお願いしたいのですが、、」
「楽譜がない?全て即興ですか?」
なんか楽しそう!練習しなくていいし、、、
「やります!やらせてもらいます!!よろしくお願いします。」
それが、「クリエイティブ ドラマ」との出会いでした。
つづく