
Eclogue Op.10 Gerald Finzi :1901-1956
フィンジ『ピアノと弦楽のためのエクローグOp. 10』を二台ピアノで演奏します。
エクローグ(Eclogue)とは. 田園や羊飼いをテーマとした古典的形式の詩「田園詩・牧歌」のことです。
英国人作曲家ジェラルド・フィンジ(1901-1956)誰?と、あまり知られていない作曲家ですが、この作品は人気が高まっていることもあり、聴いたことがある方も多いと思います。この作品は、もとはピアノ協奏曲の緩徐楽章として作曲されたものらしいです。
フィンジの息子クリストファーがこう言ってます
「幼くして父親を失い、3人の兄もつぎつぎに亡くした。そんな父に深刻な打撃を与えたのが、恩師ファーラーの戦死だった」
自分自身も、病魔と戦いながら音楽にすべてを捧げた晩年
青少年期に身近な親族や恩師の死に見舞われたフィンジは、こんどはみずからの「死」に直面することに。1951年、ホジキンリンパ腫と診断されました。
彼の生きた、イングランドの自然は、日本の自然や季節感や四季の特徴が似ているのかと思います。フィンジの『エクローグ』はそんなイングランドの自然の移り変わりを、一篇の美しい抒情詩のように凝縮した作品。彼は、けっして人間嫌いというわけではありませんでしたが、イングランドの片田舎でリンゴ栽培家として生活していたフィンジには、日本語で言う「侘・寂び」の心情が精神に流れていたのではないかと思わずにはいられません。そんなフィンジは創造的な芸術家とはいかなるものかについて、こう語っています——「芸術家は、自身を取り巻くうたかたの世界から岩礁を築く珊瑚虫のようなものだ。それははかなく、不確実な自身の生が終わったあとも朽ちずに長く残る、堅固な構造物である」。
1956年9月27日、ホジキンリンパ腫によって免疫不全に陥っていたフィンジは帯状疱疹と脳炎の合併症で逝去。享年55歳でした。
